〜プロが選ぶ理由には、ちゃんとワケがある〜
「弦って、正直どれを選べばいいの?」
これはレッスン現場でも、よくいただく質問のひとつです。
そこで今回、当教室に在籍している現役プロギタリストの講師陣にアンケートを実施!
普段のレッスンや本番、練習で実際に使っている弦のブランド・品番・テンション、そして「なぜその弦を選んでいるのか?」を、率直な言葉で語ってもらいました。
初心者の方から経験者の方まで、
「弦選びのヒント」や「次に試してみたい一本」がきっと見つかるはずです。
講師お気に入りの弦ランキング(複数回答)
サバレス(66.7%)〜“自動的にいい音”の安心感〜
サバレスは、特にカンティーガシリーズへの支持が圧倒的でした。
● カンティーガ・クリエイション(510MR)
「コントロール不要で自動的にいい音。そんなことでいいのでしょうか?くらい良い音。」(飯泉昌弘講師)
● カンティーガ・クリエイション・プレミアム・ノーマル(510MRP)
「品質が安定し、長持ちする」(益田正洋講師)
「音の立ち上がりが良い。ピッチが良い。特に3弦」(太田直孝講師)
「音量が出てはっきりした音。他楽器とのアンサンブル本番に使っています」(本多磨弥講師)
● ニュークリスタル(510CR / 510CJ / 570NR)
「明るい音色が気に入っています」(角圭司講師)
「レンジの広さ、バランス、タッチへの反応が秀逸」(佐藤洋平講師)
「透明感のあるクリアな音が欲しい場面で使います」(堤千花講師)
➡ 安定感・音程・音量・反応の良さ
どんな現場でも頼れる“王道弦”という印象です。
ハナバッハ(33.3%)〜緻密さとバランス感〜
● シルバースペシャル 黒ラベル(815MT)
「テンション配分が均一で、弦高設定もしやすい。クセが少なく、多くの楽器に合うのでほとんどこれです」(栗田和樹講師)
「音量・音色のバランスが良く、ソロの本番に使いやすい」(本多磨弥講師)
● シルバースペシャル 青ラベル(815HT)
「マイルドで滑らかな鳴り。録音・本番でほぼ毎回使っています」(濱口仁邦講師)
● 500MT
「安価で耐久性が高く、練習用・レッスン用に最適」(本多磨弥講師)
➡ 精度の高さと信頼感を重視する方に人気。
オーガスチン(27.8%)・プロアルテ(27.8%)
■ オーガスチン(赤 ノーマルテンション、青 ハイテンション、リーガル)
「伝統的な楽器にはオーガスチン、現代的な楽器ならサバレス、古楽器はナイルガット(アクイーラ)やガットを使います。」(森淳一講師)
「跳ね返りの強さ、低音の音量感。ガシガシ弾くライブでは“強い味方”です」(曲健一講師)
■ プロアルテ(EJ45 / XTC45 / EJ46)
「クセがなく、弾きやすい。結局ここに戻ってきます」(岡本あや講師)
「チューニングが正確で、コントロールしやすい」(飯泉昌弘講師)
➡ 迷ったらまず試したい、安心の定番。
ラベラ(16.7%)〜練習を大切にしたい人へ〜
● 2001 クラシック・ライトテンション
「脱力して良い練習ができる。セーハが辛い方には、ぜひ一度試してほしいです」(堤千花講師)
➡ 手への負担を減らしたい方、長時間練習する方に◎。
ノブロック/ロイヤルクラシックス/ルシェール/オプティマ/セシリア
➡ 同率5位でした!
玄人の世界:弦を“ミックス”するという選択
今回のアンケートでは、高音弦・低音弦を別ブランドで組み合わせる講師も複数いました。
ハナバッハ・シルバー200・ミディアムハイ(1,2弦)
サバレス アリアンス(3弦)
サバレス コラムハイ(4~6弦)
「10年以上この組み合わせ。でも“正解はひとつじゃない”と思って、今も試しています」(山崎拓郎講師)
プロアルテ ノーマル(1~3弦)
ハナバッハ黒(1~3弦)
オーガスチン赤(4~6弦)
「同じテンション表記でも、楽器によってきつさが違う」(柳真一講師)
ロイヤルクラシック(フラメンコクリア 1~3弦)
サバレス ノーマルテンション(4~6弦)
ルシエール ノーマルテンション(4~6弦) を組み合わせる場合あり
「リズムの立ち上がり、乾いた音、耐久性。答えは決めず、今も探し続けています」(渕崎昭彦講師)
➡ 弦選びは、楽器・奏法・音楽ジャンルとの対話なのだと感じさせられます。
やはり強かったのはサバレス。
一方で、ランキング下位にも「ここぞ」という場面で使われている個性派ブランドが並び、プロならではのこだわりが垣間見える結果となりました。
テンションは何を使っている?
ノーマル(ミドル)テンション:約8割
ハイ(ハード)テンション:約2割
ローテンション:少数派
全員がプロとしてコンサートや本番の機会が多いこともあり、
「柔らかさ」よりも、
音の立ち上がりの良さ
音量感・力強さ
を重視する傾向が見られました。
一方で、ローテンションを使う講師からは「脱力して弾くため」「良い練習のため」という声も。目的によって弦を使い分けるというのも、プロならではですね。
まとめ
弦選びに「正解」はない。でもヒントはある
今回のアンケートで改めて分かったのは、
・プロでも悩みながら、試しながら弦を選んでいる
・本番用・練習用で使い分けている
・音色だけでなく、弾き心地・反応・耐久性も重視している
ということ。
もし今、
「音が出にくいな」「弾きにくいな」と感じていたら、それは弦を変えるだけで解決するかもしれません。
ぜひ今回のランキングと講師の声を参考に、あなたにとっての“お気に入りの一本”を見つけてみてください。そして迷ったら、いつでも講師やギターショップアウラでご相談ください。
